みなさんは隠れ貧血って、知っていますか?もともと貧血持ちの人もいますが、貧血になったことがない人も、気づかないだけで貧血状態になっている可能性があります。そして、女性の4人に1人が隠れ貧血といわれています。自分は貧血ではないと思っているあなたも、もしかしたら貧血かもしれませんよ。
自覚症状がない?実は怖い隠れ貧血
「今まで貧血の症状は出たことない」とおっしゃる人もいますが、隠れ貧血は自覚症状がないのに、貧血状態になっていることをいいます。一見、健康そうに見えても、本当はいつ倒れてもおかしくないような栄養状態なのです。
症状として「動悸・息切れ、疲れやすい、頭痛がする」と貧血とは思えないようなものもあります。「疲れてるのかな?」と思った症状、実はそれが隠れ貧血かもしれません!
最も多い鉄欠乏性貧血とは?
貧血はいくつか種類がありますが、その中で一番多いのが、鉄欠乏性貧血です。文字通り、鉄不足が原因で起こる貧血で、治療をすれば完治するためそこまで心配はいりません。
「爪が割れやすくなる、口の端や舌が荒れる、髪が抜けやすい、肌がカサカサする」という症状が見られます。また貧血がひどくなると、爪がスプーン状に反り返ったり、もろくなったりもします。
そんな最も多い鉄欠乏性貧血の原因は、大きく分けて2つあります。
食生活が原因で栄養が偏っている
食生活の偏りの理由として、女性で多くみられるのがダイエット。食事制限によるダイエットで栄養が偏ってしまい、鉄分が不足してしまいます。また妊娠中など体内で鉄の利用が増える時期にも鉄分が不足しやすくなります。ダイエットをするにも、きちんと偏りなく栄養が取れる食事をするように心がけましょう!
生理による出血
女性が隠れ貧血になりやすい原因の1つに生理による出血があります。女性は生理によって毎月約45mlの出血で約22.5mgの鉄分を失っています。この鉄分を補うためには、本当は1日に約10.5mgの鉄分を摂らなければいけませんが、実際はそこまで毎日摂れている人は少ないでしょう。これにより、日々摂っている鉄分量よりも体外に出ていく量の方が上回ってしまい、隠れ貧血になってしまうのです。
毎日は気にするのはとても大変ですが、特に生理中は鉄分が入っている食材を意識して取り入れましょう!
隠れ貧血を予防するために気をつけたいこと
貧血になってしまう原因が分かったところで、次はそれを予防する方法をご紹介します。隠れ貧血はきちんとした知識や、身体をいたわってあげることでちゃんと予防ができます!
血液検査で貧血チェックをする
隠れ貧血は血液検査ではっきりとわかります。血液検査はお金もかかるし面倒臭いですが、きちんと血液検査をすることを心がけてください。
検査結果では「フェリチン値」という、体内に蓄えられている鉄分の量をチェックします。フェリチン値の基準値として、男性は20〜280ng/ml、女性は5〜157ng/mlと定められています。5ng/ml以下と出てしまったら危険な状態なので、必ず病院で診察をしてもらい、鉄分を補給するためのサプリメントなどを処方してもらいましょう。
鉄分の吸収を助ける食材と阻害する食材を知る
貧血を予防するには知識がなければなりません。鉄分の吸収を助けるのか、阻害してしまうのか。きちんとした知識をもって、貧血を予防しましょう!
まず鉄分の吸収を助ける成分と食材について。鉄分の吸収を助ける栄養素は、タンパク質、ビタミンC、ビタミンB群が挙げられます。例えばレモンやオレンジ、いちごなどがいいでしょう。また中でも鉄の吸収率を2倍に引き上げてくれるレモンはオススメです!
次に鉄分の吸収を阻害してしまう成分と食材です。シュウ酸というアクの成分は、鉄やカルシウムの吸収を阻害します。代表的な食材は、ほうれん草やたけのこで、食べる時はきちんとアク抜きをしましょう。アク抜きをすると水溶性であるシュウ酸が70〜80%は溶け出してくれます。
また、タンニンというコーヒーや紅茶、赤ワインなどに含まれている渋みの成分は、鉄と結合性質があるので、水に溶けにくくなり吸収率が下がってしまいます。
最後に食物繊維です。「え、食物繊維?」と思う人もいらっしゃるでしょう。デトックス効果の高い健康的な栄養素と知られていますが、食物繊維を摂り過ぎると、鉄などの必要な栄養素まで排出してしまう可能性があるので実は危険なのです。食物繊維は適度な量を摂取しましょう!
気になる症状がある時には、調べてみよう
貧血になったことがない人は自覚症状がなく、その症状が貧血だとは気づきません。自分は貧血じゃないと思っていても、もしかすると隠れ貧血かもしれませんよ?定期的に血液検査をしたり、食事を気にしたりしながら、貧血を予防していきましょう!