モテ子- ストレッチにもTPO?

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「運動不足のあなた!まずはストレッチで身体をしっかり動かしましょう!」なんて言葉もよく聞かれますが、そもそもストレッチってなんでしょう?身体を動かせばストレッチ?筋肉をイタ気持ちいいくらいに伸ばすのがストレッチ?巷にはストレッチ専門店なども数多くありますが、それって何をするの?健康になれるの?今回はそんなストレッチに関する疑問にしっかり答えてみたいと思います。
ストレッチの意味とその効果とは?
ストレッチというのは「stretch=伸ばす・引っ張る・広げる」」という英単語そのままの意味で、身体のある部分の筋肉を引っ張って伸ばす動作のことをいいます。ストレッチをおこなうことで、以下のような効果が期待できます。
筋肉の柔軟性を高めることができる
身体を支える筋肉は、デスクワークを始めとした「同じ姿勢で居続けてしまう生活習慣」を繰り返すことで、緊張し続けてしまいます。そして、やがて硬直したまま緩むことができなくなり、コリや痛みの原因となります。ストレッチをすると、硬直した筋肉を伸ばすことで筋肉の柔軟性を回復し、肩こりや腰痛などの症状を改善につなげることができます。
関節の可動域を回復することができる
筋肉が緊張し続けると、身体の関節の動きが制限され、いわゆる「硬い身体」になってしまいますが、ストレッチで筋肉の柔軟性を回復させることで、関節の可動域を向上させて柔軟な身体を保つことができるようになります。特にお風呂上りのような、身体が温まって筋肉が緩んでいる時におこなうと更に効果が高まります。
血行を良くし、リラックス効果が期待できる
筋肉の柔軟性が回復すると、身体の血液の循環を向上させることができます。特に下半身の筋肉には「ポンプ機能」があり、伸びたり縮んだりすることで周囲の血液を心臓に向かって押し流していますが、筋肉が凝り固まることでそのポンプ機能は失われてしまいます。すると血液の循環が低下するので、むくみやだるさ、疲れやすさなどの原因になりやすいです。ストレッチによる筋肉の柔軟性回復効果は、そのように低下した筋肉のポンプ機能を高め、全身の血行を向上させることができるのです。
さらには、全身の血行が向上することで身体全体が「副交感神経優位=リラックスモード」に入り、ストレスの軽減や深い睡眠などにつながることが期待できます。
ストレッチの種類
ストレッチには、大きく分けると二種類あります。
スタティック(静的)ストレッチ
おそらく皆さんが「ストレッチ」と聞いて思い浮かべるのがこれではないでしょうか。勢いや反動をつけずにゆっくり筋肉を伸ばし、痛みを感じる寸前で動きを止めてそのまま20〜30秒静止させるのが一般的なやり方です。急激に力が掛からないので比較的安全に筋肉の柔軟性を向上させやすく、特に関節可動域を拡大したい方はこのストレッチがおすすめです。また身体をリラックスモードに導きやすいため、睡眠前におこなうのもよいでしょう。
バリスティック(動的)ストレッチ

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筋肉を伸ばしていくだけでなく、伸張と収縮を繰り返すストレッチをバリスティック(動的)ストレッチと言います。多少の反動をつけながらストレッチさせたい関節を大きく動かすような動作を反復させていくやり方が多いです。わかりやすい例ですとラジオ体操もこのバリスティック(動的)ストレッチに分類されますね。身体の動かしたい部位に連動している筋肉をまとめて動かすことができるため、全身の動きの連動性を高めたり血流を向上させたりする効果が高いです。特に運動前のウォーミングアップにはおすすめです。
ストレッチにおける注意点など
ストレッチはあくまでも「筋肉の柔軟性を回復させるための運動」です。そのため、激痛を感じるほど強い力でおこなうものではありません。筋肉には、過剰な痛みを感じると防御反応で収縮し、さらに硬くなってしまう性質があるため、たとえ静的ストレッチでも痛みに耐えてまで無理におこなうのは逆効果です。柔軟性を回復させるためのストレッチであれば「これ以上伸ばしたら痛いかも…」というところで止めるくらいで十分。痛み=効果が高い、というものではないので注意してください。
また、最近の研究では運動前にじっくり静的ストレッチをおこなうと、筋肉が過剰に伸ばされてしまい、かえってパフォーマンスが低下する、というのが一般的な見解として広まっています。運動前の準備運動としては短い静的ストレッチや動的ストレッチ、お風呂上がりや就寝前には静的ストレッチにゆったりと取り組むなど、目的や効果に合わせてストレッチを使い分けるようにしましょう。